【地図噺056 新年度ご挨拶と地図の著作権(後編)】
令和2年も4月となり、弊社も設立より4年目迎えることとなりました。これも偏にお客様のご高配の賜物と厚くお礼申し上げます。新年度も変わらずお引き立ての程、よろしくお願いいたします。
さて、話は変わりまして地図の著作権(後編)です。前編では許諾のないWeb等からの商用地図利用は著作権法に抵触するというお話でした。それでは法的に問題のない地図を利用するにはどうしたらいいのでしょうか。
- 1:許諾を得る まあ至極当たり前です。ところがこれが意外と難しいのです。例えばGoogleMapでは個別の申請には対応しないと明記されています。世界規模で利用者のいるGoogleMapではいちいち申請を受けていたら処理しきれないということなのでしょう。また、その他の地図サービスでも使用申請や有償であることがほとんどかと思います。
- 2:国土地理院の地図を使う 国の測量機関である国土地理院が整備する地図(地形図・地勢図)をご存知でしょうか。地図は古くは軍事機密に属し、近代国家の条件の一つとして国家運営や国防に欠くことのできないものです。日本でも明治から今日に至るまで地図の整備編纂が国家事業として行われており、近年はWebでもその成果を入手することが可能です。しかも国の成果として公表されていますので、無償で使用することが可能です(条件によっては申請の必要があります)。え、ここまで出来るの?というぐらい地理院のWebサービスである「地理院地図」は高性能です。ぜひご自分でお確かめ下さい。
地理院地図 / GSI Maps|国土地理院
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、国土地理院が捉えた日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。
ここまで書くと、もう地図屋はいらないんじゃないかという疑問すら頂きそうですが、これらサービスで閲覧できるのは、あくまで地図情報です。目的に応じて見やすく、わかりやすく、美しくするのが私達の仕事だと考えています。ご相談頂けましたらきっとご満足頂けるものをご提案いたしますので、お気軽にお声掛け下さいませ。